情報誌

4 月号/ 2012

インタビュー「落語家 横浜にぎわい座館長 桂 歌丸さん」

12.04.27

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落語家 横浜にぎわい座館長

桂 歌丸 氏



UTAMARU KATSURA

プロフィール

横浜生まれ。中学3年で五代目古今亭今輔に入門、のちに桂米丸門下となる。日本テレビ「笑点」にはスタート時よりレギュラー出演し、現在五代目司会者。芸術祭賞、横浜文化賞、神奈川文化賞、浅草芸能大賞、芸術選奨文部科学大臣賞、松尾芸能賞優秀賞を受賞。平成19年旭日小綬章受章。平成23年噺家生活六十周年。現在(社)落語芸術協会会長、横浜にぎわい座館長。







(イベント情報)

横浜にぎわい座 開場十周年記念興行

横浜にぎわい座五月興行

桂歌丸 語り直して

三遊亭圓朝作「怪談 真景累ヶ淵『第一話 宗悦殺し』」




落語の中興の祖・三遊亭圓朝の処女作「怪談 真景累ヶ淵」。この大作に、現代を代表する名人・桂歌丸が「語り直して」お贈りいたします。

桂歌丸の新たな挑戦をお見逃しなく。



■日時:平成24年5月9日(水)19時開演

■会場:横浜にぎわい座 芸能ホール

■入場料  全席指定  3,500円



4月1日発売開始

横浜にぎわい座 045-231-2515

(チケット専用/10:00~21:00)

ローソンチケット Lコード 31544

チケットぴあ Pコード 419-067







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◆お問い合わせ:

横浜にぎわい座

045-231-2525




思いっきり笑って元気になってください

横浜にぎわい座が開場十周年を迎えますね。
たくさんのお客様に支えていただいたおかげです。これを機会に今まで寄席に足を運んだことない方にも、どんどん来ていただきたいですね。

十周年中はいついらしても盛りだくさんに楽しんでいただけるように横浜にぎわい座をあげて工夫をこらしてお待ちしています。
寄席は初めて、というお客様も十周年を機会にいらっしゃるでしょうね。
初めてのお客様には面白い落語を聞いていただかなきゃなりません。寄席ってのは楽しいんだな、落語ってのは面白いんだな、という思いをしてくだされば、二度三度と通ってくださるようになります。

お客様が落語家のことを「うまい」とおっしゃるのは「面白い」ということなんです。われわれ落語仲間がお互いを「うまい」というのは技巧のことですが、いくら仲間内で「うまい」と言われたからってそれで満足していてはいけません。お客様から「うまくない」「へただ」と言われるのは「面白くない」という宣告なんですから、それを言われないように、よくお客様の声を心に留めて常に勉強しなくちゃいけませんね。

お客様に「うまい」って言ってもらえることが高座に上がる人間にとって一番幸せなことなんですよ。
どういう勉強をしたらいいんでしょうか?
お客様に信用されないとまず「面白い」と思ってもらえない。言葉遣いだってそうです。

例えば、若い落語家が「昔、吉原ってのがありましてな」と話し始めたりするのは間違ってます。自分がそれを知っている、実際に行ったことがある、という言い方になってしまっています。じゃあなんと言うかというと「昔、吉原ってのがあったそうです」。こう言えば、師匠から稽古付けてもらったから教わって知ってる、っていう言い訳ができてる。「籠屋ってものがありましてな」じゃなくて「籠屋ってものがあったそうです」なら教わったことを喋ってる言い回しになる。

落語家は喋るのが商売なんだから日本語を間違っちゃダメですよ。噺家は言葉遣いに責任を持たないといけない。それがお客様から信用されて、安心して聞いてもらうための当然の心得ですよ。
十周年記念興行では、ご自身も独演会をなさるのですね?
横浜にぎわい座では、十周年中に二回にわたってやらしていただきます。円朝作の怪談の「真景累ケ淵(しんけいかさねがふち)」です。私のライフワークとして取り組んでいる大作です。精一杯やりますから、ぜひお聞きにいらしてください。
ハマッ子でいらっしゃるんですよね。
横浜の下町、真金町で生まれて、育ちました。今でも生まれたときと同じ家に住んでます。

子どものうちは野毛の山や、三渓園や、杉田の海水浴場なんかでよく遊びました。そんなふうに横浜が私を育ててくれたんです。自分を育ててくれたところだから、好きで離れずにいるんです。横浜の人間の気性、気っ風を、ここ横浜・野毛から伝えていきたいですね。
横浜の人間の気っ風とはどんなところですか?
横浜の人間は強情で頑固なところがある。東京人が頑固だなんてとんでもない、横浜の人間のほうがよっぽど頑固ですよ。港町の気っ風なんでしょう。まだ下町らしい人間同士の交流も意外にちゃんと残ってるところですから。
横浜にぎわい座でもそれは感じられそうですか?
落語に引き込まれて聞いているうちにいつの間にか、義理、人情なんていう古き良きものに触れてもらえたら嬉しいですね。一番それを伝えられるのが寄席という場所なんですから。
ほかに落語を楽しむコツは?
生の舞台を楽しんでほしいですね。落語家はいろんな仕草で身体を使って話してることがわかると思いますね。噺家を見に来てもらいたいですね。それで、誰か落語家のファンになってくれるんだっていいんですよ。

でもその先、同じ噺でも落語家によって違う楽しみ方があるとわかってきたら、またどんどん聞くのが楽しくなってくると思いますよ。同じ古典の演目にしたって、ある落語家で聞いたら面白かった、そしたら別の落語家が話すとまた違う面白さがあった、っていう発見につながってますます面白くなってくるもんなんですよ。
「笑い」の効用はどんなものでしょうか?
笑うことは薬より健康にいい効果があるなんて言いますが、これは本当だと思いますね。動物のなかで笑うのは人間だけって言いますが、その特権を利用しないことには損じゃないですか。腹の立つことの多い昨今の世の中ですが、生の舞台に思い切り笑って元気をもらって帰ってください。
2012年2月14日 横浜にぎわい座にて