詩人、評論家の鮎川信夫(1920~1986)は、詩誌「荒地」の思想的中心として、戦後の詩壇に大きな足跡を残しました。自らの戦争体験をもとに、現代社会を〈荒地〉として意識しながら、その克服をめざした鮎川の業績を見つめ直すことは、戦後70年を経た現在、大きな意味があります。
鮎川の没後30年を記念して開催する本展では、戦前の第1次「荒地」の同人で親友の森川義信にあてた鮎川の書簡など、当館の所蔵資料を中心に、鮎川の足跡を振り返ります。また、戦後の第2次「荒地」に拠った北村太郎、木原孝一、黒田三郎、田村隆一、中桐雅夫、三好豊一郎らの活動も紹介いたします。